家づくりの知識
なぜ省エネ性能の高い家を建てるのか
今、求められている住宅
今の日本に求められている、省エネ性能の高い住宅。
省エネ性能の良い機器を使うだけでなく、家自体を省エネ住宅にすることで、より大きな効果を得ることが出来ます。
さらに、省エネ住宅は地球に優しいだけでなく、私たちにもあらゆるメリットをもたらしてくれます!
そもそも省エネ住宅とは?
省エネ住宅とは、断熱や日射遮蔽などの対策により、冷暖房のエネルギー消費を抑えた住宅のことです。
従来の住宅と比べて断熱性や気密性が高いため、冬は温かい空気を逃がさない、夏は外の熱を侵入させない仕組みになっています。
そのため、年中を通して快適に過ごせ、冷暖房のエネルギー消費も削減することが出来ます。
省エネ住宅に必要な3つの性能
① 断熱
断熱とは、窓や壁などを通しての室内外の熱の移動を少なくすることです。
これにより、「夏は涼しく、冬は暖かい」を実現することが出来ます。
住宅の断熱性能は、UA値(外皮平均熱貫流率)で示され、UA値が低いほど省エネ性能が高い住宅となります。
② 日射遮蔽
日射遮蔽とは、窓や外壁などから入ってくる太陽の熱を遮る対策のことです。
夏に室温が高くなる一番の原因は、太陽の熱です。
この太陽の熱を遮ることで室温の上昇を抑え、冷房の使用削減へと繋げていくことが出来ます。
③ 気密
気密とは、住宅の隙間をできる限り減らし、空気の移動を抑えることです。
空気の移動に伴う熱の移動を減らすことで断熱性能を保ち、換気機能によって必要な量の換気を行うことで、過剰な空気の移動を減らします。
住宅に省エネ性能が求められる理由
理由は様々ありますが、ここでは主要な2つの理由についてみていきます。
① 地球温暖化対策
皆様もご存知の通り、地球温暖化は年々進み、深刻な状況になりつつあります。
地球温暖化を防止するためにも、温室効果ガスの大半を占めるCO2削減のため、省エネ対策が急務となっています。
省エネ対策として近年、様々な機器に省エネ性能が備わってきています。
しかし、省エネ性能の良い機器を使い、使い方の工夫をしても、それだけでは限界があります。
そこで重要となるのが「省エネ住宅」です。
住宅自体を省エネにすることで、そもそものエネルギー使用を減らすことが出来ます。
その上で、省エネを意識した生活、省エネ性能が高い機器を活用すれば、より大きな省エネ効果を得られます。
② エネルギーの安定供給確保
エネルギー資源である石油や石炭などには限りがあります。
そのため、エネルギーを気にせず使い続ければ、将来的には資源が枯渇し、これまでのような生活が送れなくなるかもしれません。
さらに、1つ目の地球温暖化にも繋がりますが、石油や石炭などの消費はCO2増加にも繋がります。
この限りある資源を長く使えるように、CO2を減らせるようにするためにも、住宅にも省エネが求められているのです。
省エネ性能が高い家 私たちへのメリット
最初にお伝えしたように、省エネ住宅は地球に優しいだけでなく、私たちにもメリットをもたらしてくれます。
メリット① 光熱費の削減
前述したように、省エネ住宅は断熱性・気密性が高いため、外気からの影響を受けにくいという特徴があります。
そのため、冷暖房の使用を減らすことができ、光熱費削減に繋がるということです。
物価や電気代が高騰している今、光熱費を抑えられるのはありがたいですね。
メリット② 過ごしやすく、健康的に暮らせる
断熱性・気密性が高く、「夏は涼しく、冬は暖かい」を実現できる省エネ住宅。
もちろん、一年を通して快適に過ごすことが出来ます。
また、住宅全体の温度差が少ない家は、健康面にも良い影響をもたらしてくれます。
冬の脱衣室でのヒートショックや、夏の室内での熱中症などのリスクが減り、身体への負担も少なくなります。
メリット③ 住宅の耐久性の向上
高気密・高断熱の家は結露を発生させにくく、腐食やカビ・ダニなどの発生を防げます。
住宅の耐久性が向上すれば、メンテナンスや修繕の手間も減らせますね。
メリット④ 補助金を利用できる
省エネ住宅は国が求めている家のため、条件を満たせば補助金の利用も可能です。
この記事のまとめ
- 地球温暖化やエネルギーの安定供給確保のため、今省エネ性能の高い住宅は求められている。
- 省エネ住宅は地球に優しいだけでなく、光熱費や健康面にも良い影響をもたらす。